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148:景品表示法違反がもたらす企業リスク

■違反が発覚するきっかけ

化粧品業界では、商品の魅力を適切に伝えることが重要ですが、広告やキャンペーンの表現が景品表示法に違反していた場合、企業にとって大きなリスクとなります。
違反が発覚する主なきっかけは、消費者からの通報、競合他社からの指摘、消費者庁による定期的なモニタリング活動などがあります。
近年では、SNS上の広告表現やインフルエンサーとのタイアップ投稿などにも厳しい目が向けられており、過剰な効能表現や不適切な景品提供が問題視されやすくなっています。

違反の疑いがあると判断された場合、消費者庁は企業に対して調査協力を求めます。
この際、広告表現の根拠となる資料や景品提供の詳細、販売データなどの提出が求められます。
提出された資料に客観性や正当性が欠けていたり、企業側の説明に不備がある場合、違反と認定される可能性が高まります。
調査の結果、違反があったと判断されると、消費者庁から「措置命令」や「課徴金納付命令」が出されます。

景品表示法に違反すると、その影響は企業の内外に広がります。
特に化粧品業界では、消費者の信頼が購入に直結するため、不当表示が明らかになるとブランド価値の低下を招く恐れがあります。
また、SNSやメディアによる報道を通じてネガティブな印象が拡散し、企業イメージの悪化につながる可能性も高まります。
取引先からは、広告掲載の中止や商品の取り扱い見直しを求められるケースもあります。
さらに、誤解を招いた広告やパッケージを修正・差し替える必要が生じれば、コストや工数の負担も大きくなります。
社内においては、広報・法務・マーケティング部門を中心に対応業務が増加し、通常業務に支障をきたす場合があります。
こうした事態が続けば、社員の士気低下や業務の混乱にもつながり、企業全体の信頼維持に影響を及ぼします。

このように、景品表示法違反は一時的なトラブルにとどまらず、企業全体に長期的な影響を与える可能性があります。
日々の業務の中でコンプライアンス意識を徹底し、組織的なチェック体制を構築することが、信頼を守るうえで重要です。
次回のブログ記事では、「景品表示法違反の罰則と対策」について詳しくご紹介します。

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