■ステマ規制とは

ステルスマーケティングのことを略して「ステマ」と呼びます。
ステマとは、本来広告であるにもかかわらず、その事実を隠し、あたかも第三者の個人的な感想や評価であるかのように見せかける宣伝手法のことを指します。
消費者を誤認させるおそれがあることから、景品表示法において不当表示として規制の対象となっています。
特にSNSやレビューサイトを活用する機会が多い化粧品業界では、投稿が広告・宣伝であることを、消費者が明確に認識できるかどうかが重要な判断ポイントです。
ステマと判断される例と対応のポイント
◎インフルエンサー投稿における不適切な広告表示
企業から報酬や商品提供を受けた投稿であるにもかかわらず、投稿者が「#PR」や「#広告」などの広告表示をしていなかったり、文末に小さく表示しているだけの場合、消費者が広告と認識できず、景品表示法上の不当表示に該当し、ステマと見なされる可能性があります。
対応ポイント
・「#PR」「#広告」などの表示は、投稿の冒頭や目立つ位置に記載する
・文字サイズや色、背景とのコントラストに配慮し、視認性を確保する
・発信前に表示ルール(表示位置や使用する用語など)を共有し、投稿内容を事前に確認する体制を整備する
◎記事形式の広告が読者に伝わらないケース
企業の依頼により作成された記事であるにもかかわらず、通常の記事と同じレイアウトやタイトル形式で掲載されていると、読者が広告と気づかずに閲覧・信頼してしまうおそれがあります。
広告であることが明示されていない場合、景品表示法に違反する可能性があり、ステマと判断されることもあります。
対応ポイント
・記事タイトルや冒頭に「PR」「広告」など、広告であることがひと目でわかる表示を明記する
・通常の記事と明確に区別できるレイアウトや表現を用いる(例えば、背景色の変更や囲み表示など)
・表示ルール(表示位置・使用語句・デザイン等)をメディア側と事前に共有し、確認体制を整備する
◎発信者への表示ルールの周知不足
インフルエンサーやライターなど、発信を依頼する人物に広告表示のルールを十分に伝えていない場合、本人に悪意がなくても不適切な投稿につながり、結果的に景品表示法違反と判断されるリスクがあります。
対応ポイント
・発信前に、広告表示に関するルールや基準を明確に伝える
・表示の具体例やNG例を共有し、誤解や見落としを防ぐ
広告であることを隠した表示に対する規制は年々厳しくなっています。
消費者との信頼関係を築くうえでも、事業者には広告であることを明確に示し、透明で誠実な情報発信を心がけることが求められています。
次回のブログ記事では「景品提供」について、詳しく説明いたします。