■医薬品等適正広告基準の重要性

前回のブログ記事に引き続き、医薬品等適正広告基準の基本ルールについて見ていきたいと思います。
また、誤解を招かない広告を作成するためには、どのような表現が適切か、適正な広告表現のポイントについても説明いたします。
医薬品等適正広告基準の基本ルール
◎承認範囲を超える表現の禁止
医薬品や化粧品などの広告では、厚生労働省の承認を受けた効能効果を超える表現は禁止されています。
特に、化粧品には治療や予防といった効能効果を示唆する表現が禁止されており、「シミが消える」「肌荒れが治る」など、医薬品的な効能効果を暗示する表現は使用できません。
適切な表現としては、「お肌のキメを整える」や「お肌の乾燥を防ぐ」など、厚生労働省が定める効能効果の範囲内で正確に伝えることが求められます。
◎不安を煽る表現の禁止
消費者に不必要な恐怖感や不安を与えるような表現は禁じられています。
例えば、「このまま放置すると肌トラブルが悪化する可能性があります」などの表現は、消費者の不安を過度に煽り、不必要な購入を促す恐れがあるため禁止されています。
広告は消費者が製品を選ぶ際に冷静かつ十分に考慮できる環境を提供することが求められます。
◎保証的表現の禁止
消費者に対して製品の効果を確実に保証するような表現を使用することを禁じています。
例えば、「必ず効果がある」「たった1週間で乾燥肌が改善する」などの表現は不適切とされます。
医薬品や化粧品などには、使用者の体質やお肌の状態、生活習慣などに個人差があるため、すべての人に同じ効果が得られるわけではありません。
そのため、保証的表現を避け、個々の状況に応じた効果の差があることを考慮する必要があります。
適正な広告表現のポイント
◎根拠のあるデータを示す
「使用者の80%がうるおいを実感」といったデータを示す場合は、試験の規模、対象者の条件、試験方法などの情報も併せて提示し、消費者に正確で信頼性のある情報を提供することが重要です。
◎過度な期待を持たせない
「体質や生活習慣によって個人差があります」や「効果には個人差があります」といった注意書きを、広告内の目立つ場所に記載することで、誇大広告を避けることにつながります。
◎適切な表現を選ぶ
例えば、保湿成分が含まれている場合、「保湿成分である〇〇が配合されているため、お肌の乾燥を防ぎ、うるおいを与えるサポートをします」といった表現が適切です。
過度に「美肌」を強調するのではなく、具体的な作用や成分に基づいた表現が望ましいです。
医薬品等適正広告基準は、消費者が製品に関して正確で信頼できる情報を得るために不可欠なルールです。
企業はこの基準を遵守し、効果や効能を誇張せず、公正かつ透明な広告を心がけることが求められます。
誠実な情報提供を行なうことで、消費者の信頼を築くことにつながります。