■鉄分の働き
鉄分は、日本人が不足しやすい栄養素の一つと言われています。
鉄分不足は貧血の原因となることはよく知られていますが、実はお肌トラブルを招く原因となる可能性もあるそうです。
鉄分は赤血球の材料となり全身に酸素を運ぶ役割のほか、体内の細胞の成長や再生においても重要な役割を担ってくれています。
そのため、健やかなお肌を維持するなど美容面でも大切な成分と考えられています。
鉄分不足による影響
◎顔色が悪く見える
血液の赤い色は、赤血球に含まれるヘモグロビンという成分の影響によるものですが、鉄分が不足するとヘモグロビンが減少し、顔色が悪く見えることがあります。
また、顔色がさえなくなるので目の下のクマが目立ち、疲れた印象を与えてしまいます。
◎シミができやすくなる
鉄分には抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぐ役割があるとされています。
鉄分が不足すると、抗酸化作用が低下し、ターンオーバーが乱れる可能性があり、シミができやすくなることがあると言われています。
◎シワやたるみが増える
鉄分はコラーゲンを生成するのに欠かせない栄養素です。
鉄分が不足すると、新陳代謝が低下し、コラーゲンがうまく生成されないため、お肌のハリや弾力が失われてシワやたるみができる原因につながります。
◎髪が切れたり、抜けたりする
髪は、毛根にある毛乳頭が酸素や栄養分を毛細血管から吸収して健康を保っています。
鉄分不足により血流が悪くなると、毛乳頭まで十分な酸素や栄養分が行き届かず、髪の毛が切れやすくなったり、抜け毛が増えたりすることがあります。
◎爪が変形する
鉄分が不足すると、本来ピンク色をしている爪が白く見えることがあるそうです。
この状態を放置しておくと、爪が割れやすくなったり、線が入ったり、スプーンのように反り返ったりすることがあると言われています。
鉄分を無駄なく摂取する方法
鉄分は吸収率が低い栄養素のため、食事で摂取したうちの10%程度しか吸収されないと言われています。
そのため、鉄分を摂取する際は吸収率の高いヘム鉄を含んでいる赤身の肉、魚介類、レバーなどを積極的に摂取すると良いそうです。
吸収率の低い非ヘム鉄を含んでいるほうれん草、小松菜、ひじきなどを摂取する際は、ビタミンCやタンパク質を含む食材と合わせて摂取することで吸収率が高まるとされています。
また、胃腸の働きが悪いと鉄分が吸収されにくくなるため、胃腸に負担をかけないように食事はよくかんで食べ、食べ過ぎないように注意してください。
腸内環境の整え方については「腸内環境はお肌に影響する」に記載しておりますので、そちらをご覧ください。
お肌や髪のコンディションは見た目年齢を大きく左右しますので、若々しさを維持するためにも鉄分の摂取は大切です。
また、外側からもお肌をしっかりとケアすることを心がけてください。
保湿ケアを徹底するために化粧水やクリームを使用することもおすすめします。
鉄分の摂取と保湿の両方をしっかり行なうことで、内側からも外側からも健やかで美しいお肌を目指してください。