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144:化粧品の景品提供基準

■化粧品の景品とは

景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者を保護し、公正な競争を確保することを目的とした法律です。
この法律では、以前ブログ記事で紹介した「化粧品広告に潜む不当表示」とは別に、過大な景品提供によって消費者の購買判断が不当に影響されることも禁じられています。
景品とは、顧客を誘引するために、商品やサービスの取引に関連して提供される、金銭的な価値のある物品やサービスを指します。
このような景品は、法的に提供方法や金額に上限が設けられており、規制の対象となります。
企業が提供する景品や特典も過剰な顧客誘引を避けるための制限があり、ノベルティやプレゼントも規制の対象となります。

企業にとって景品は販売促進に有効な手段ですが、その影響力が強すぎると、消費者が商品の品質や価格を正しく比較する機会を失う恐れがあります。
例えば、商品に高額なプレゼントが付いていた場合、消費者はプレゼントの魅力に引かれて商品を選び、本来より優れた商品を見逃してしまうかもしれません。
こうした「不当な誘引」を防ぐことが、景品表示法の目的の一つです。

景品は提供方法に応じて、「一般懸賞」「共同懸賞」「総付景品」の3種類に分類されます。
これらの景品は、提供の方法によって上限金額が法的に定められています。
高額な景品を付けた販売活動が、消費者に本来の商品価値を見誤らせることを防ぐためです。
なお、上記の3種類とは異なり、景品表示法の規制対象外となる「オープン懸賞」と呼ばれる形式もあります。

商品購入や来店を条件とせず、誰でも応募できる懸賞のことを指します。
新聞、テレビ、雑誌、ウェブサイトなどで広く告知され、はがきやウェブ応募などで参加できる点が特徴です。
これは特定の商品やサービスに依存しないため、多くの消費者の関心を引くことができます。
以前は、提供できる経済的な利益の最高額が1,000万円と規定がありましたが、平成18年4月に規制の上限額が撤廃され、現在では上限金額の規制がなく、景品表示法の規制対象とはなりません。
ただし、オープン懸賞であっても、実質的に特定の商品やサービスの販売促進と強く関連していると判断される場合は、「一般懸賞」として扱われ、景品表示法の規制対象になる可能性がありますので注意が必要です。

経済的な利益とは

お金の得になることや、本来お金がかかるものを無料で手に入れられることを指します。

景品提供は、ルールを正しく理解し、その範囲内で行なうことが大切です。
ルールに沿った運用を心がけることで、トラブルを避けながら安心して販売活動を進めることができます。
次回のブログ記事では「一般懸賞」について詳しく説明します。

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