■不当表示とは

不当表示とは、景品表示法で禁止されている「消費者を誤解させる表示」の代表的な類型のことです。
実際の内容や条件とは異なる印象を与えることで、商品やサービスの選択に影響を与えるおそれがある表示が対象となります。
不当表示を防ぐことは、消費者が適切な判断を下すために重要であると同時に、誠実に広告を行なう企業が不利益を受けないようにするためにも不可欠です。
不当表示の主な類型
不当表示は、次の3つの類型に分類されます。
◎優良誤認表示
品質、性能などについて、事実よりも著しく良いと見せかける表示のことです。
◎有利誤認表示
価格、取引条件などについて、実際よりも有利であると見せかける表示を指します。
◎一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示
事業者による広告であるにもかかわらず、第三者の意見や評価に見せかけて宣伝する表示(ステルスマーケティング)のことです。
令和5年10月1日の法改正では、それまで「その他誤認されるおそれのある表示」として扱われていた表示のうち、事業者の広告であることを隠して第三者の意見のように見せかけるようなケースについて、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として新たに独立した類型が設けられました。
背景には、ステルスマーケティングのように広告と気づかせない手法が広がり、消費者保護の観点から問題視されたことがあります。
化粧品広告における不当表示
化粧品は、効果が見た目で判断しにくく、使用感や印象といったイメージが重視される商品です。
そのため、広告では「効果がありそう」「美しくなれそう」と感じさせるような言い回しがよく使われます。
しかし、感覚的な表現や誇張された演出によって、実際の内容とかけ離れてしまうケースも見られます。
たとえば、健康的で美しいお肌をしたモデルの写真や、「驚くほど変わる」といった表現が、商品そのものの効果だと消費者に誤解される可能性があります。
こうした表現が実際の品質や効果と著しく異なる場合、不当表示に該当するおそれがあります。
不当表示を防ぐためには、見た目やイメージで伝えるだけでなく、その内容が事実に基づいているかどうかを確認し、正確な情報を提供することが大切です。
次回のブログ記事では、不当表示の一つである「優良誤認表示」について、詳しく説明いたします。