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137:化粧品の特記表示

■特記表示とは

化粧品の広告やパッケージなどにおいて、特定の成分を強調して表示することを指します。
しかし、特定の成分を強調することで、その成分が主成分であると誤解させるだけでなく、医薬品のような印象を与えたり、他の化粧品よりも効果や安全性が優れていると誤認される恐れがあります。
このような誤解を防ぎ、消費者に正しい情報を伝えるために、特記表示には一定のルールが設けられています。
今回のブログ記事では、その基本ルールと適切な表記のポイントについてご紹介したいと思います。

◎配合目的を明記する

化粧品の特記表示では、成分を強調する場合、必ずその成分の配合目的を併記する必要があります。
この配合目的は、化粧品の効能効果の範囲内であり、かつ事実に基づいたものでなければなりません。
​例えば、「うるおい成分アロエ配合/アロエエキス(保湿剤)」や「肌にうるおいを与え、乾燥を防ぎます(コラーゲン配合)」といった表記が適切とされています。
​一方、「ビタミンE(製品の抗酸化剤)」という表記は、ビタミンEが製品自体の酸化を防ぐ目的(品質保持)であることを示しており、適切な表示とされています。
​しかし、ビタミンEを「抗酸化成分」とだけ表示すると、肌への抗酸化作用を暗示し、化粧品の効能効果の範囲を超えるため、不適切とされます。
​なお、植物成分、海藻エキス、ハーブエキスなど、複数の成分をまとめて表示する場合は、個々の成分の配合目的を併記しなくても問題ないとされています。

◎医薬品的な表現を避ける

化粧品は医薬品ではないため、「薬」や「生薬」、「薬草」などの表現を使用すると、医薬品的な印象を与えてしまい不適切とされます。
例えば、「漢方成分抽出物」や「生薬エキス」、「薬用植物エキス」といった表記は、医薬品であるかのような誤解を招く可能性があるため避ける必要があります。

◎配合目的の表現に注意

医薬品の有効成分であるかのような印象を与えたり、薬理作用を暗示するような配合目的は認められません。
例えば、「抗酸化成分」や「肌あれ改善成分」、「美肌成分」、「エイジングケア成分」などの表現は、医薬品的な効果を連想させるため不適切とされています。
また、「グリチルリチン酸(たるみ改善)」のように、化粧品で認められていない効能を示唆する表現も避ける必要があります。

特記表示を行なう際は、成分の配合目的を明確にし、医薬品的な表現や過度な強調を避けることが大切です。
化粧品はあくまで美容を目的とした製品であり、消費者に誤解を与えない適正な表示が求められます。

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